写真家のトヤマタクロウは、最新作品集『DEVENIR』刊行に合わせて、11月20日から12月5日まで、浅草のインテリアギャラリー「es quart」で、個展「DEVENIR 2021/11/20 – 12/05」を開催する。
本展では、10月に刊行された『DEVENIR』から“ERROR / OBJECT / [[ ]]”の3シリーズを中心にインスタレーションを構成。作品集および各シリーズのテーマをもとに、自然と変化し拡張していく作家の思考を反映した作品群を展示する。また、初の展示となる映像作品では音楽にミツメの大竹雅生が参加する。
写真集『DEVENIR』は2020~21年に撮影された写真から約500点を掲載。“DEVENIR”とは、「~になる」「~に変わる」の意で、全7編、CAMERA OBSCURA / ERROR / PORTRAIT / OBJECT / [[ ]] / 2020 / MY FUTURE とシリーズに分節して構成することで、作者の知覚の変化や思考の変遷を俯瞰する1冊。
プリント・エディションでは、特製の紙箱に、サイン・ナンバリング入りのオリジナルプリント(エディション:10)を封入。オリジナルプリントは、ERROR、PORTRAIT、OBJECTの3種のうち1枚を選択できる
本書においてトヤマは、ある種の「軽さ」と不可分な写真にまつわる行為を介して、自身を含めたあらゆる事物とその関係が変容し続けていくことを肯定する。また、個人の試行がカメラ製品技術の進歩をはじめさまざまな外部と接続されうる複層的な内容となっており、本という有限性の中にあって無形態なひろがりを感じさせるものとなっている。写真集は現在、特設サイトで販売。サイトではトヤマタクロウ、グラフィックデザイナー加瀬透、本書を装丁した米山菜津子による鼎談を公開している。