「バレンシアガ」2022年春コレクションのキャンペーンビジュアルを手掛けるなど、世界からも注目を集めるアーティストのIKEUCHI Hiroto(池内啓人)が自身最大規模の個展を渋谷の「RAYARD MIYASHITA PARK」のギャラリー・SAIで開催する。期間は2022年1月8〜30日。
本展覧会では、身体拡張ロボット「スケルトニクス」の開発・製造チームと共に制作されたスーツ作品を中心としたコンセプチュアルスペースはじめ、これまで発表してきた作品及び、新しい試みとして、PROTOTYPE INCと共同制作した、本展初公開の体験可能な大型新作を展示。さらに、それら作品の制作プロセスや、インスピレーション源も鑑賞することができる展示となっている。
IKEUCHIは1990年東京生まれ。多摩美術大学情報デザイン学科卒業。既製品のプラモデルや工業製品のパーツを組み合わせ、本来あるイメージから卓越、そのものへ全く新しい価値を与える。これまで彼は、幼少期より影響を受けた「スター・ウォーズ」や「ゾイド」「ガンダム」などの国内外ポップカルチャーから始まるイメージに、日本独自の模型文化を掛け合わせることにより、近未来、ノスタルジック、サイバーパンクなど、人によってさまざまなイメージを想起させるオリジナル表現を構築してきた。大学卒業時、本人のパソコンと模型をあわせたジオラマ作品の制作をきっかけに生まれたIKEUCHIのスタイルは、現在では主にスーツやヘッドセット、そしてガジェットなど、身に着ける工業製品をベースに制作するかたちに進化し、そのポテンシャルを常に追求し続けている。
また、IKEUCHI作品の大きな特徴は、制作の前提として、それらがプロダクトとしての本来ある機能を失わないこと。本来の目的を持ちながらも整った細かいパーツの配列、無機質な色使いなど視覚的な面白さを魅せる作品群。さらにそれらを人が装着、体験することにより生まれるのは、本来の芸術鑑賞とはまた異なった、その場、その人にしか得ることのできない固有で新しい発見を垣間見させてくれる。