江口寿史が個展「NO MANNER」を1月17日から開催 新作ペインティング15点を出展

漫画家・イラストレーターの江口寿史による個展「NO MANNER」が1月17日から2月7日まで「カイカイキキギャラリー」で開催される。江口による「カイカイキキ」での個展は今回が初となる。

本展では、新作ペインティング15点を出展。江口の原画を元に「カイカイキキ」の工房で制作を行い、江口本人による重ねてのチェックを経て完成した作品群が並ぶ。

江口寿史は、漫画が日本文化の一大産業と言える規模に拡大した1980年代に、ギャグ系の漫画で業界をけん引。その後女性を美しく描くことに集中し始め、現在でも第一線で制作を続け、今に至るまでクリエイティブ業界全体に影響を与えている。「カイカイキキギャラリー」では、2022年の台北ダンダイ、アートバーゼル香港で初めて江口の作品を発表している。

また展覧会の開催に合わせて、村上隆は次のようにコメントを発表した。

ここ数年、日本のアート業界では、漫画家であり、イラストレーターの江口寿史さんからの影響が色濃く出た、女性を主軸とするペインティング作品を目にすることが増えました。
江口寿史さんはマンガ家にして、イラストレーターなのですが、そのジャンルを超えて「絵師」としての高い人気があり、美術館での個展が多く企画開催されています。『KING OF POP』という一冊の画集の発刊をきっかけにして、日本の公の美術館等での巡回展を2015年より2017 年までに8回、そして『彼女』展を2018年から金沢の21世紀美術館を皮切りにスタートして、2022年現在で8回ツアーしており、その中で、徐々にご本人自体がアートと漫画の境界線を融解させてきている状況です。
その彼の作品に、今回新たに現代美術的作法を取り入れて、ペインティングを制作発表いたします。その「作法」とは何か、を読み解くことも本展の白眉な箇所と言えるかもしれません。業界を横断可能な作家本人による絵の実力と、関わる人間達からの信認を得られるのか否かの査定そのものが、芸術とは何かを問うこととなる挑戦と言えましょう。
いくつものレイヤーが折り重なる本展では、私、村上隆が2000年より20年以上提唱している「スーパーフラット」の真骨頂を理解して頂けると考えています。

江口寿史
1956年熊本県生まれ。漫画家・イラストレーター。1977年「週刊少年ジャンプ」にて漫画家デビュー。斬新なポップセンスと独自の絵柄で漫画界に多大な影響を与えた。代表作に『ストップ!! ひばりくん!』『すすめ!!パイレーツ』『エイジ』『キャラ者』など。1980年代からはイラストレーターとしても多方面で活躍。企業とのタイアップ企画、レコードジャケットなども多く手掛け、同時代のファッションやカルチャーを取り入れた作品群には根強いファンがいる。2015年画集『KING OF POP』(玄光社)を刊行し、イラストレーション展『KING OF POP』を全国8ヵ所で開催。 さらに2018年からは金沢21世紀美術館を皮切りにイラストレーション展『彼女』を開催。日本国内各地の美術館で現在も巡回中。近著に『step』(2018年河出書房新社)、『RECORD』(2020年河出書房新社)、『彼女』(2021 年集英社インターナショナル)などの画集がある。

■江口寿史個展「NO MANNER」
会期:2023年1月17日〜2月7日
会場:カイカイキキギャラリー
住所:東京都港区元麻布2-3-30 元麻布クレストビルB1F 
時間:11:00〜19:00
休日:日・月曜・祝日
https://gallery-kaikaikiki.com

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TOKION EDITORIAL TEAM

2020年7月東京都生まれ。“日本のカッティングエッジなカルチャーを世界へ発信する”をテーマに音楽やアート、写真、ファッション、ビューティ、フードなどあらゆるジャンルのカルチャーに加え、社会性を持ったスタンスで読者とのコミュニケーションを拡張する。そして、デジタルメディア「TOKION」、雑誌、E-STOREで、カルチャーの中心地である東京から世界へ向けてメッセージを発信する。

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