「リック・オウエンス」や「アップル」等とコラボしたアーティストのマシュー・ストーンが日本初となる個展を開催

アーティストのマシュー・ストーン(Matthew Stone)が日本初の個展を5月13日〜6月11日に青山の「Gallery COMMON」で開催する。

ストーンは、イギリス・ロンドン生まれで、ワイ・バレーを拠点に活動するフォトグラフィックアーティスト。これまでにファッションデザイナーのリカルド・ティッシ(Riccardo Tisci)をはじめ、「リックオウエンス(RICK OWENS)」や「アップル(APPLE)」「ジェントルモンスター(GENTLE MONSTER)」等とのコラボレーションを発表しており、FKA Twigsのアルバム『Magdalene』のカバーを手掛けたことでも知られる。

同展では、AIによる「出力」とアーティストの手による「入力」を組み合わせた絵画シリーズの新作をはじめ、アルゴリズムによってLEDディスプレイ上にイメージを生成する「再定義された絵画」等の作品を展示する。これらに加え、東京での初個展を記念した限定版画の販売も行う。

展覧会のタイトル「Human in the Loop」は、AIの開発プロセスの中にあえて人間を介在させ、AIのトレーニングデータの質を高める仕組みのことを表している。ストーンは自らをこの「human in the loop」(ループの中にいる人間)になぞらえ、次のようにコメントする。

「多くの人がAIをツールとして扱うときのクリエイティブレベルを誤解しているように思います。新しいテクノロジーがどのように作られ、誰のために、そして何のために使われるのか、そこに疑問を持つのは正しいことです。しかし同時に、抽象的で何もわからない不安な状態からAIをただ操作してみるのではなく、テクノロジーやツールに自分から積極的に関わることも大切なのではないでしょうか」。

新しいテクノロジーが現れるときは常にそうであったように、AIは熱狂と恐れの両方を引き起こし、シニカルな意見から否定的な意見までさまざまな物議を醸した。ストーンの作品はAI、そしてAIと共に働く私たちのクリエイティブな可能性とは何なのかという問いを投げかける。

「AIを拒絶するのではなく、むしろAIを用いることによって人間らしさを実現することができる。私たちはそう信じなければならない」と話すストーンのテクノロジーに対する楽観的なアプローチは、テクノロジーを人と人との繋がりのために使うことを勧め、真の創造力は道具ではなく、それを使いこなす人の手の側にあるのだという気づきを人々に与える。

■Matthew Stone「Human in the Loop」
会期 : 5月13日〜6月11日
会場 : Gallery COMMON
住所 : 東京都渋谷区神宮前5-39-6 B1F
時間 : 12:00〜19:00
休日 : 月、火

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TOKION EDITORIAL TEAM

2020年7月東京都生まれ。“日本のカッティングエッジなカルチャーを世界へ発信する”をテーマに音楽やアート、写真、ファッション、ビューティ、フードなどあらゆるジャンルのカルチャーに加え、社会性を持ったスタンスで読者とのコミュニケーションを拡張する。そして、デジタルメディア「TOKION」、雑誌、E-STOREで、カルチャーの中心地である東京から世界へ向けてメッセージを発信する。

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