アーティストのMAOKA UEDAが個展「The Catcher in the Mirage」を9月16日から開催

アーティストのMAOKA UEDAが個展「The Catcher in the Mirage」を9月16日から「MA5 GALLERY」で開催する。

本展では、UEDAが作品を描き続けるための永遠のテーマであり、また自身が絵を描き続ける最中のその様を「The Catcher in the Mirage」(蜃気楼の中のキャッチャー)というタイトルで表現し、曼荼羅シリーズをはじめ、その他スタイルの作品や油絵なども展示予定。点から線、線から面、そして個展ならではの、面から空間へと広がるUEDAの世界を楽しめる展示となっている。

The Catcher in the Mirage

人はなぜ絵を描くのだろう。
絵は古来、出来事を伝えるための”記録”のような役目をも担ってきた。
しかし現代では、出来事を記録するにはカメラがあり、動画を撮ることもできる。
そんなハイテクな世の中でも未だに記録できないものもあると私は思う。
脳内にふと思い浮かんだ映像、ノスタルジックな思い出、
昔岸辺から見たことがあるような無いようなキツネ色をした空、
笑いながらプレリュードを踊っているパンダの顔をした孔雀、
シャルル・ボードレールに恋焦がれた夕霧の慈悲、
黄泉に刺繍されたパプアニューギニアの走馬灯。

そういった一瞬頭によぎるもののほとんどは忘れられ、脳細胞の奥深くへ沈んでいってしまう。
実在しないものが見えたとしたら、記録し物質化しなければそれらは存在しないまま、まるで蜃気楼の ように姿を消してしまう。

私が記録しておきたい色彩、情景、曲線、幾何学的法則。
ある日を境に見え始めた、視界に広がる曼荼羅模様。

植物に見える生の律動を彷彿とさせる曲線、自然界に存在する有機的かつ規則的なうねりの幾何学。それらが踊り、蠱惑的な旋律を奏でるようにひしめき、分離と合体を繰り返す。
生々しい生命力や神秘性を秘めた「曲線の力動」を捕らえ、それが何なのかを知りたい。
それをキャラクター化すること、それは私にとって昇化であり、道化であり、象徴化でもある。

表現の幅は自由であっていいはずだ、ただふわりと飛んでいる蝶々の羽をそっと摘んで捕まえるように、自分の目に映り漂う曲線やイメージをとらえ、それらに個性(キャラクター)を与えたい。それが、私が絵を描く理由だ。

MAOKA UEDA

MAOKA UEDA
アーティスト。ロンドン芸術大学セントラル・セント・マーチンズの Foundation course、ロンドン大学チェルシー・カレッジ・オブ・アーツの Graphic Design and Communication 学科にて、計5年間ロンドンでアート&デザインを学ぶ。【個展】2022年「Wonky Tunes」(Gallery Crane/兵庫)、【グループ展】2022年「Mago Gallery Award」、「Geisai #21」、「100人10」( 東京ミッドタウン/東京)、「Shibuya Style vol.16」(西武渋谷店/東京)、「What Cafe Exhibition vol.23」(What Café/東京)、「One Art Taipei」(台北)、2023年「Chroma Distance」(ポーラ ミュージアム アネックス/東京)、ONBEAT Art Show(梅田阪急メンズ館/大阪、銀座三越/東京)。

■MAOKA UEDA『The Catcher in the Mirage』個展概要
会期:2023年9月16~24日
会場:MA5 GALLERY
住所:東京都港区南青山5-10-17
時間:12:00〜20:00 ※最終日のみ19:00まで
入場料:無料

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TOKION EDITORIAL TEAM

2020年7月東京都生まれ。“日本のカッティングエッジなカルチャーを世界へ発信する”をテーマに音楽やアート、写真、ファッション、ビューティ、フードなどあらゆるジャンルのカルチャーに加え、社会性を持ったスタンスで読者とのコミュニケーションを拡張する。そして、デジタルメディア「TOKION」、雑誌、E-STOREで、カルチャーの中心地である東京から世界へ向けてメッセージを発信する。

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