写真家の川内倫子による写真展「M/E」展が、日本橋三越本店本館6階の三越コンテンポラリーギャラリーで、3月17〜29日に開催される。
同展のタイトルは、川内がアイスランドの地を訪れて撮影した『M/E』(2019)が由来で、母なる大地の意味となる「Mother Earth」の頭文字を取ったもの。川内は阿蘇の野焼きを撮った『あめつち』(2013)や自身にとって遠い、宇宙的な被写体と向き合った『Halo』(2017)の後、さらなる遠い場所を求めて訪れたアイスランドで撮影を行った。
アイスランドでは間欠泉や氷河など自身が目の当たりにした自然現象の他、休火山の内部に入った時、火口内部で「地球と自分自身が反転して一体化したような不思議な感覚」を覚えたという。
『M/E』は、自然に対する畏敬と、出産を経験したことで自身の心情の変化によって制作された。同展では『M/E』のほか、『Halo』シリーズも合わせて展示することで、人間にとって遠いものや近いものが、見える、見えない双方で存在しながら、入れ子状になるような世界観を紹介する。