作品はすべて“3分以内(推奨)” 8組のアーティストが参加する映像展「Try the Video-Drawing」が開催

8組のアーティストが参加する映像展「Try the Video-Drawing」が東京・阿佐ヶ谷のTAV GALLERYで開催される。会期は5月14〜31日で、入場は無料。出展作品はすべて“3分以内(推奨)”で、ペインティングでいうドローイングのように、映像にとってもっとも根源的な表現性と可能性を追求した内容となっている。

参加するアーティストは泉太郎、大木裕之、岡田裕子、オル太、小林勇輝、小宮りさ麻吏奈、田村友一郎、林千歩。年代もアイデンティティもバラバラながら、共通して現在の標準的な映像作品を疑い、「映像とは何かではなく、映像で何ができるか」という課題や社会的な問題と対峙し続けている8組がそろった。

同展は参加作家の1人である林千歩と、TAV GALLERYのマネージャーである西田編集長の共同企画となる。林は展示について「映像は作れないのに、増えていくのはアイデア帳のドローイングだけ──。私は、2019年の森美術館『六本木クロッシング』での発表以降、ここしばらく新作の発表ができていませんでした。これまで、私は、感受性から作品を作ってきて、だから、なんでこれを作ったのか、と尋ねられても言語化が難しく、でも何の意味がないのかと言ったらそうではなく、自分は、言語化ではなく、イメージ化で作品を作ってきました。でもある時から、言語化と感受性を絡めて、求められる言語化にも応えようとして、バランスを崩していました。私はこれまで『変身』をキーワードとして『なぜ変身するのか』という自分の動機や衝動性を掘り下げる作品を、主に映像で発表してきたアーティストです。『美と醜』『老いと若い』『男性と女性』など対極にあると考えられるもの同士をつなげ、同等のものとして扱う、不可能を可能にする『変身』の効果を表現してきました。そして今回、こうした葛藤を自覚しているからこそ試みるのは、自分の中にある、アーティストとして今この時期にこういうことをするべきだという悩みと、1人の人間としての人生の悩み、この対極の悩みをつなげることです。そして、その方法として選択したのが、自分にとって小さい時から悩みを抱えずに描き続けている、現実さえ超える想像力をもつドローイングの感覚、これを起点に、映像を制作することでした。今回の企画は、私個人の葛藤から着想が始まったものですが、その中で得た、ドローイングの感覚からだからこそ、映像作品に対しての制作の本質や動機や衝動が垣間見られることの可能性、それを広く共有したいと強く思い、今回の企画には、私が年齢や実績に関わらず尊敬するアーティストのみなさんを、共同企画者の西田さんと相談して、お誘いさせていただきました。私にとっては、約4年ぶりとなる新作の映像の発表となります。みなさんとご一緒できることを心より感謝いたします」と思いを語った。

西田は林のコメントを踏まえて、「本展の出展作家は、こうした林の想いに賛同していただいた方々であり、また、キュレーターとしての自分にとっても、アーティストとの共同において、こうした葛藤は、自らが担う役割ではないと無意識に外部化していたことに気付かされた契機となり、特にこと表現の根源の探求という意味において、強く共感し、まだ言語化できないことにこそ寄り添わねばならないと改めて深く思い知る出来事となりました。映像という表現が、1つの形式として、作家にとっても鑑賞者にとっても定着した今だからこそ改めて立ち戻る、映像制作への原初的な初期衝動に是非ともご注目ください」と話している。

■「Try the Video-Drawing」
会期:2021年5月14〜31日
会場:TAV GALLERY
住所:東京都杉並区阿佐谷北1-31-2
時間:13:00〜20:00
休日:水曜、木曜
入場料:無料

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TOKION EDITORIAL TEAM

2020年7月東京都生まれ。“日本のカッティングエッジなカルチャーを世界へ発信する”をテーマに音楽やアート、写真、ファッション、ビューティ、フードなどあらゆるジャンルのカルチャーに加え、社会性を持ったスタンスで読者とのコミュニケーションを拡張する。そして、デジタルメディア「TOKION」、雑誌、E-STOREとRAYARD MIYASHITA PARKのコンセプトストア「TOKiON the STORE」で、カルチャーの中心地である東京から世界へ向けてメッセージを発信する。

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