高田賢三の初ドキュメンタリー映画が今年公開 2018年から急逝した2020年秋まで、約2年間を撮影

「ケンゾー」の創設者である高田賢三の初となるドキュメンタリー映画『# KENZO TAKADA』が2021年に公開される。

『# KENZO TAKADA』は、監督の中山章太郎が2017年にテレビ番組で高田のドキュメンタリーを手掛けたことがきっかけとなって制作された。撮影期間は、2018年から新型コロナウイルスの合併症により急逝した昨年10月までの約2年間。高田が80歳になった自分と向き合うために始めた自画像制作の映像を収めているほか、ファッションを通して自由や色彩表現の可能性、文化の多様性を世界へ広めた彼のクリエイションや葛藤を振り返る内容となっている。

監督の中山は「海を渡っての挑戦、成功と挫折、恋と別れ、『この人の人生は映画になる』と思える方と実際に出会える機会はめったにありません。取材が終わるといつもシャンパンを出してくれて、いろんなお話をしてくれたり、体調がすぐれない時や忙しい時も、取材に多くの時間を割いてくれました。また寒い日に外を歩いてくれたり、人を紹介してくれたり、パーティーを開いてくれたり、私の多くのリクエストに応えてくれました。本当に、本当に、感謝しています」と高田の人柄や本作の制作背景についてコメントした。

高田は1939年兵庫県神戸市生まれ。文化服装学園を卒業後、1965年に渡仏。1970年には「ケンゾー」の前身となる実店舗「ジャングル・ジャップ」をパリに構え、初コレクションも披露した。1993年にはLVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトンにブランドを売却し、1999年にはデザイナーを退任。その後、独立デザイナーとして復帰し、「2004年アテネオリンピック」の日本代表選手団の公式ユニフォームのデザインをはじめ、舞台衣装制作やセブン&アイ・ホールディングスといったさまざまな企業・ブランドとのコラボレーションなど、積極的に活動していた。2016年にはフランス政府からレジオン・ドヌール勲章シュヴァリエを受章。昨年3月にはホームウェアとライフスタイルブランド「ケースリー」を立ち上げていた。

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TOKION EDITORIAL TEAM

2020年7月東京都生まれ。“日本のカッティングエッジなカルチャーを世界へ発信する”をテーマに音楽やアート、写真、ファッション、ビューティ、フードなどあらゆるジャンルのカルチャーに加え、社会性を持ったスタンスで読者とのコミュニケーションを拡張する。そして、デジタルメディア「TOKION」、雑誌、E-STOREで、カルチャーの中心地である東京から世界へ向けてメッセージを発信する。

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