世界遺産の京都・東寺でチームラボによるアートイベント「チームラボ 東寺 光の祭」が開催される。会期は8月6日〜9月19日。チケットは7月17日から販売が開始される。
チームラボは、以前から「Digitized City」というアートプロジェクトを行ってきた。同プロジェクトは非物質的であるデジタルテクノロジーによって、建造物や場を物理的には一切変えることなく、場がそのままアートになるというもの。今回の「チームラボ 東寺 光の祭」は、東寺を人々の存在によって変化するインタラクティブな光のアート空間に変える。
展示作品は以下の通り。
「瓢箪池に浮遊する呼応するランプ/ Floating Resonating Lamps in the Hyotan Pond」
水面に浮かぶランプは、それぞれ自律し浮遊している。人がランプの近くを通ると、もしくは風に吹かれて傾くと、強く輝き音色を響かせる。そのランプの光は、隣のランプに次々伝播し、音色を響かせながら、連続していく。伝播していく光は、必ず、すべてのランプを一度だけ強く輝かせ、全てのランプに伝播する。そしてその周辺の《呼応する木々》や《自立しつつも呼応する生命の森》に呼応し、連続していく。人々はきっと、同じ空間にいる他の人々の存在を感じるだろう。
ランプは、風が静かで人々が近くにいない時、ゆっくりと明滅をはじめる。
ランプシェードは、ムラーノ・ガラス(ベネチアン・グラス)で制作した。
「講堂に咲く増殖する無量の生命 / Proliferating Immense Life in Toji Kodo」
花々は誕生と死を繰り返しながら、増殖していく。増殖しすぎると、一斉に散って死んでいく。また、人々が花々に近くと、花々は散って死んでいく。
作品は、コンピュータプログラムによってリアルタイムで描かれ続けている。あらかじめ記録された映像を再生しているわけではない。全体として以前の状態が複製されることなく、人々のふるまいの影響を受けながら、永遠に変化し続ける。今この瞬間の絵は二度と見ることができない。
「金堂の反転無分別 / Reversible Rotation in Reversible Rotation in Toji Kondo」
書かれた「空書」は、作品空間の中を全て同一方向に回転しているが、「超主観空間」の特性として、視覚的には、左回転も右回転も論理的に同等となる。そのため、意識によって、書は、左回りにも、右回りにもなる。
「空書」とは、チームラボが設立以来書き続けている空間に書く書のこと。書の墨跡が持つ、深さや速さ、力の強さのようなものを、新たな解釈で空間に立体的に再構築し、チームラボの「超主観空間」の論理構造によって2次元化している。書は平面と立体との間を行き来する。
「自立しつつも呼応する生命の森 / Forest of Autonomous Resonating Life」
高密度に立ち続ける光のovoid(卵形体)は、それぞれ自律している。ovoidは、人にかき分けられたり、風に吹かれたりして倒れると、立ち上がりながら光の色を変え、色特有の音色を響かせる。その周辺のovoidにも次々に呼応し、同じ色に変化し音色を響かせながら、連続していく。そしてその周辺の《呼応する木々》や《浮遊する呼応するランプ》に呼応し、連続していく。人々はきっと、同じ空間にいる他の人々の存在を感じるだろう。
光のovoidは、風が静かで人々が何もしない時、ゆっくりと明滅をはじめる。
「自立しつつも呼応する生命と呼応する木々 / Autonomous Resonating Life and Resonating Giant Cedar Forest」
立ち続ける光のovoid(卵形体)と、木々が光り輝く。
光のovoidと木々の光は、それぞれ自律しており、ゆっくりと明滅している。
光のovoidは人に押されたり、風に吹かれたりして倒れると、立ち上がりながら光の色を変え、色特有の音色を響かせる。その光は、周辺のovoidと木々も次々に呼応し、同じ色に変化し音色を響かせながら、変化していく。
木々の奥から光が押し寄せてくれば、向こうの方に人がいることを意味する。人々はきっと、同じ空間にいる他の人々の存在を普段より意識するだろう。
「浮遊する、呼応する球体 / Floating, Resonating Spheres」
光の球体は、それぞれ自律している。球体は、人が叩く、もしくは、風が吹いた時に色を変え、色特有の音色を響かせる。その周辺の球体も次々と呼応し、同じ色に変化し音色を響かせながら連続していく。
光の球体は、風が静かで人々が何もしない時、ゆっくりと明滅をはじめる。
「具象と抽象 – 八島社と五重塔の狭間 / Abstract and Concrete – Between Hachiman Shrine and the Five-Story Pagoda」
東寺が建立される前から鎮座している八島社と五重塔の境界にある作品。
人々が作品の中に入り止まってしばらくすると、新たな線の集合が生まれて広がっていく。
作品によって、木々は平面のレイヤーとなる。
作品は、コンピュータプログラムによってリアルタイムで描かれ続けている。あらかじめ記録された映像を再生しているわけではない。全体として以前の状態が複製されることなく、人々のふるまいの影響を受けながら、永遠に変化し続ける。今この瞬間の絵は二度と見ることができない。
「呼応する木々 / Resonating Trees」
木々が光り輝く。木々の光は、それぞれ自律しており、ゆっくりと呼吸するかのように明滅している。
木々の光は、《浮遊する呼応するランプ》や《自立しつつも呼応する生命の森》から伝播してきた光に呼応し、色を変え、色特有の音色を響かせる。その木の光は、周辺の木々に次々伝播し音色を響かせながら、連続していく。
木々の奥から光が押し寄せてくれば、向こうの方に人がいることを意味する。人々はきっと、同じ空間にいる他の人々の存在を普段より意識するだろう。