昨年6月30日には30歳の誕生日を迎えた俳優の夏帆を、若手写真家の石田真澄が2年間に渡って撮影した写真集『おとととい』が4月9日に発売される。
タイトルの『おとととい』は、石田が子供の頃から使っている「一昨日の前の日」という意味の言葉。イノセントでどこかノスタルジックな響きのする言葉を写真集のタイトルに据えたという。
石田の写真の創作手法は、日常の光景を撮り続けたスナップショットを集積させるというものが中心。本写真集では、夏帆の日常を、石田の目を通して追い続けた。ごく普通の毎日が、石田の手によって瑞々しく、ダイヤの原石のようにキラキラと輝く。撮影は、2年間じっくりと時間をかけて行われ、被写体・夏帆と石田との距離がだんだんと近づいていった。呼吸を合わせて、生活するように、空気のように絶妙の距離で撮影された写真は、撮り手と被写体の化学反応によって、思ってもないシーンを生み出し、その時だけの特別な1枚1枚になっていった。
写真集について夏帆は、「(石田)真澄ちゃんと過ごした時間が心地よくて、この時間がずっと続けばいいのにと思っていました。日常にある小さな揺らぎや、もう戻ることのできないあの時間が、たくさん詰まっている写真集です。こんな顔誰かに見せたことあるのかなっていう表情が切り取られていて、皆さんにお見せするのがなんだか気恥ずかしいですが、大切な記憶が散りばめられたこの本がどうかたくさんの人に届いてほしいです」とコメント。
一方の石田は、「夏帆さんと出会ってから、写真を撮る時の相手との心の距離をずっと考えていたなと思います。こんなに誰かとの距離の変化を意識していたのは初めてでした。夏帆さんは柔らかさと強さを併せ持っていて、いつ顔を合わせても安心と新鮮さがある方です。時間と記憶を共有してできた思い出を、水面からトプッと浮き出るように思い返しながら一冊にまとめました。大好きな写真達が届きますように」と話す。