第94回アカデミー賞は『コーダ あいのうた』が作品賞など3部門を受賞 『ドライブ・マイ・カー』は国際⻑編映画賞を受賞

日本時間の3月28日に発表された第94回アカデミー賞で、映画『コーダ あいのうた』が作品賞のほか、助演男優賞(トロイ・コッツァー)と脚色賞(シアン・ヘダー)の3部門を受賞。4部門にノミネートされていた注目の濱口竜介監督による『ドライブ・マイ・カー』は国際⻑編映画賞を受賞した。

『コーダ あいのうた』はサンダンス映画祭で上映されるや世界のバイヤーがその権利に殺到。史上最高額の26億円でアップル社が落札して話題に。本作で主人公の耳の聞こえない父親を演じ、助演男優賞を受賞したトロイ・コッツァーは実際に耳が不自由な俳優で、ろう者の男優が受賞するのは100回近い歴史を誇るアカデミー賞史上でも初めて。

受賞に際して、トロイは手話で「私が今まで、ろう者の為の舞台に立てたのは大勢の方々のおかげです。その方々にも感謝を述べたいと思います。スピルバーグ監督の本を読んだのですが、彼によると最高の監督の定義はスキルのあるコミュニケーターであるわけですが、シアン・ヘダー監督は最高にスキルの高いコミュニケーターです。それは、障がい者とそうでない人との橋渡し役を務めたからです。そしてそれはいつまでもハリウッドに残る橋ということになります。そして我々もスタッフもキャストも皆がそれを評価していました。私の父は最高の手話のできる人でした、彼は自動車事故に巻き込まれ、麻痺が残り手話ができなくなりました。お父さんから多くの事を学びました。いつも愛しています。わたしにとって英雄です。ファンの皆様、そして妻と娘、アリゾナのふるさと、そしてチームの皆様ありがとう。これはろう者の、コーダのコミュニティ、障がい者のコミュニティに捧げます。これは私達の瞬間です。ありがとうございます」とコメント。

シアン・ヘダー監督は、「インディペンデントフィルムとして苦労しました。プロデューサーのみなさん信じてくれてありがとう。この作り方を信じてくれてありがとう。サンダンスでこの映画が始まりました。この脚本を作ることは本当に人生が変わった経験でした。人間としてアーティストとして、コーダのコミュニティの皆さん、聴覚障害のみなさん、感謝を申し上げたいと思います。まさに映画という場で美しい言語をありがとう。クルーの皆さん本当にありがとう。キャストの皆さんありがとう。私の家族もありがとう。両親も今日来ています。皆さんが私をアーティストに育ててくれました。そして主人のデイヴィッド、あなたの支えがなかったらできなかった。監督と母親の両立は大変だったけどあなたの支えのおかげです。子供達ありがとう。愛してる」と述べた。

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TOKION EDITORIAL TEAM

2020年7月東京都生まれ。“日本のカッティングエッジなカルチャーを世界へ発信する”をテーマに音楽やアート、写真、ファッション、ビューティ、フードなどあらゆるジャンルのカルチャーに加え、社会性を持ったスタンスで読者とのコミュニケーションを拡張する。そして、デジタルメディア「TOKION」、雑誌、E-STOREで、カルチャーの中心地である東京から世界へ向けてメッセージを発信する。

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