他人とは違う個性的なものが着たい、経年変化が味わい深い、ものを大切にしたいなど、さまざまな理由もあり、現在、古着が若い世代を中心にブームとなっている。そこで今の気分にフィットする、手に入れたいアイテムをTOKION視点でピックアップする「Tokyo Wish List」では、“リメイク”アイテムに注目する。既製品を解体し再構築するなど、古着とはひと味違った個性的な魅力を放つリメイクアイテム。スタイルに個性を出したい、そんなあなたにおすすめだ。
doublet
5着のシャツを1着に。「ダブレット」流のアップサイクルウェア
コレクションのたびに大きな話題を集めている、デザイナーの井野将之による「ダブレット(doublet)」から、またまた斬新なウェアがリリースされている。それは「洋服の青山」のアイテムを使ったアップサイクルウェアだ。今シーズンは、“MY WAY(僕らのやり方)”をテーマにコレクションを展開しており、その中でも本作はインパクトを放っていたウェア。ベースとなっているのは、コロナ禍で需要が落ち込んだ「洋服の青山」にあったシャツで、1着に対して5着のシャツが解体され再構築されている。そのため、無地やストライプなど、さまざまなパターンがランダムに組み合わされており、サイズ感はオーバーサイズに設計。まさに「ダブレット」らしい仕上がりだ。アップサイクルウェアがさまざまなブランドでリリースされている中、このようなアプローチは類を見ないはず。環境に配慮された、ひと筋縄ではいかない洋服は、次世代の洋服ではないだろうか。シャツ以外にもスーツやベストといったアイテムも展開されているので、チェックしてみてほしい。
Children of the discordance
ヴィンテージのバンダナをパッチワークして1着の洋服に
ヴィンテージウェアに対する知見やストリートカルチャーへの愛情をアパレルで表現する「チルドレン オブ ザ ディスコーダンス(Children of the discordance)」は、デザイナーの志鎌英明が2012年に立ち上げたブランドだ。生み出されるアイテムは、コレクションラインとリメイクラインがあり、どちらもカウンターカルチャーがベースとなっており、強烈な個性が表現されている。そこで今回フォーカスするのは、デザイナー自身がコレクションしているヴィンテージのバンダナを再構築したシリーズ。カジュアルでありながらも、品の漂う1着となっている。これからの季節は袖を外して1着でもインパクトは出せるし、寒い日はインナーとしても存在感はアピールできる2WAY仕様だ。ひと味違うリメイク品を求めるならば、ぜひとも袖を通してほしい。
REBUILD by NEEDLES
細部にまでこだわりリビルド(再構築)される逸品
「ニードルズ(NEEDLES)」を手掛けるデザイナーの清水慶三によるリメイクブランド、「リビルド バイ ニードルズ(REBUILD by NEEDLES)」。本ブランドでは、今の時代では普段着として存在しにくい古着を、解体し再構築(=リビルド)することで、また新しい価値を提案している。今回フォーカスしたデニムパンツは、「ニードルズ」で製作されたファブリックを使用したドローストリングスパンツをベースに、その上にヴィンテージのデニムを縫い付けるというまたひと味違った1本。いろいろな種類のデニムパンツを解体して作り込んでいるため、まったく新しい仕上がりになっている。シルエットは「ニードルズ」のサイズベースで作られたイージーパンツのため、美しいフォルムなのだが、縫い付けられるデニムが違うため、同じものは2つとない。まさに世界に自分だけのデニムパンツではないだろうか。