アーティストのアン・テウォンとリ・ヒョヌによる展覧会「Provoke,High beam,☆☆☆」がギャラリー「CON_」で開催

東京・日本橋馬喰町のギャラリー「CON_」は、韓国・ソウルをベースとする2人のアーティスト、アン・テウォン(Ahn Taewon)とリ・ヒョヌ(Lee Hyunwoo)による日本での初の展覧会「Provoke,High beam,☆☆☆」を5月28日まで開催している。

タイトルの「Provoke,High beam,☆☆☆」は、2人の作家性である現実の世界と他世界(インター ネット/常世)の交差から着想したもの。本展は、自然環境の対象化をコンセプトとする リ・ヒョヌの大型の彫刻作品をはじめ、インターネット上のミームが現実の世界に組み込まれた時に感じる、不自然だが奇妙に満足感をコンセプトに愛猫をモチーフとしたアン・テウォンの平面作品や立体作品が並ぶ。

アン・テウォンは、1993年生まれ。ソウルを拠点に活動。グラフィックプログラムで 3D モデルの表面に2次元の画像ファイルを貼り付けるテクスチャマッピングの手法に似たプロセスで、被写体のイメージを現実から歪め、エアブラシを使って平面 または立体に貼り付けていく。

リ・ヒョヌは、環境が従属するものに押し付ける冷酷さと非礼さを示している。時に環境、同じ対象物を無理やり絡め取り、拘束し、その存在様式を無力化する。「無題」シリーズは、環境が対象に及ぼす力の構造をコンセプトとし、その力に飲み込まれることで生まれる1つの形として、彫刻の形を現す。その結果、あらゆる対象を構成する従来の基準や価値観が消失し、彫刻を構成するすべての対象が素材そのものに回帰し、水平性を獲得する。環境と彫刻に強制的に嵌め込まれた 主体は、もはや本来の機能を果たせない状態に固定され、イメージとして消費されるだけである。それは自然の原初的な力学、支配の論理、連鎖構造を意味すると同時に、物理的な力を加える主体 が人間/自然の二分法ではなく、環境の生態的メカニズムに従った現象であることを示唆する。

Photography Ryo Yoshiya

■「Provoke,High beam,☆☆☆」
会期:2023年4月29日〜5月28日
会場:CON_
住所:東京都中央区日本橋馬喰町 2-2-14 maruka 4F
オープン:木〜日
休日:月〜水
時間:14:00-19:00
https://www.contokyo.com/provoke-high-beam/

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TOKION EDITORIAL TEAM

2020年7月東京都生まれ。“日本のカッティングエッジなカルチャーを世界へ発信する”をテーマに音楽やアート、写真、ファッション、ビューティ、フードなどあらゆるジャンルのカルチャーに加え、社会性を持ったスタンスで読者とのコミュニケーションを拡張する。そして、デジタルメディア「TOKION」、雑誌、E-STOREで、カルチャーの中心地である東京から世界へ向けてメッセージを発信する。

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