アーティストのJACKSON kaki、toiret status、Szemán Petraがバーチャル・リアリティの多様な解釈を探求するグループ展「ZOR」を開催

アーティストのJACKSON kaki、toiret status、Szemán Petraがグループ展「ZOR」を開催する。会期は7月22日〜8月6日で、乃木坂のギャラリー「CALM & PUNK GALLERY」で行う。

同展は、バーチャル・リアリティやHMD(ヘッドマウントディスプレイ)等のテクノロジーをどのように解釈し、表現の素材としてどう扱うことができるのかをテーマとしている。JACKSON kaki、toiret status、Szemán Petraは、バーチャル・リアリティーを構成するテクノロジーを素材に多様な解釈や表現を生み出し、周囲の環境とメディアを巻き込みながらオルタナティブな概念や環境を作り出す。

「アップル(Apple)」が新型ヘッドマウントディスプレイ“Apple Vision Pro”をARやMR、XRなどの言葉を使わずに「空間コンピュータ」という言葉で表現したように、「バーチャル・リアリティー」環境は言葉の扱い方によって変容する。人々はメタバースやサイバースペース、アバター、仮想などさまざまな言葉を使って、「バーチャル・リアリティー」をそれぞれ異なる解釈で捉え、未知との遭遇に対して距離感を探っている。

「ZOR」は、そのような「バーチャル・リアリティー」と人々の見えない関係性を探求することを目的に立ち上げられた。「ZOR」という言葉は無線用語で「点だけを送信してください」という意味。「Verticle(頂点)」という目に見えない仮想の点の繋がりで構成される「バーチャル・リアリティー」空間において、人は何を想像することができるか。このプロジェクトでは、音楽や文学、演劇、デザイン、映画等、さまざまな領域における芸術が、どのように「バーチャル」や「メタバース」といった言葉を扱い、イメージを形成しているかを収集し、テクノロジーと人間の関係性を広げることで、未来に向けた新しい可能性を民主的に構築するプラットフォームを作り出す。

また、会場内外でのイベントやバーチャル空間における実験的な取り組みを行うことで、展示アーティストだけでなく、すべての人が「バーチャル・リアリティー」について対話することができる場の創造を試みる。

プロジェクトの主催者であるアーティストのJACKSON kakiは、VR/AR、3DCG、映像、インスタレーション、DJ、サウンド、パフォーマンスなど、マルチメディアを取り扱った表現に取り組んでいる。キュレーターとしても活動しており、2022年には渋谷のクラブ「CONTACT」全フロア使用したグループ展「Imaginary Line」のディレクションとキュレーションを、2023年には「EASTEAST_TOKYO 2023」のVideo/Sound/Performanceのキュレーションを金秋雨と共に行った。

ハンガリー・ブダペスト生まれのSzemán Petraは、アニメーションやビデオゲーム的風景を用いて映像作品を制作するアーティストで、現実の生活がフィクションであるかのように体験される出来事を中心としたモチーフを扱う。自身をモデルとしたキャラクター「Yourself」を主人公とした作品では、さまざまなデジタル領域を横断しながら、それらの境界域やそこで発生する状況を探索している。作品を通して、オン/オフ・スクリーンを問わずフィクションで飽和しきった現代において、人々の記憶や自己イメージはどのように形成されるのかを問いかける。

作品制作・発表を食事・消化・排泄・洗浄になぞらえ、「水に流す」ことをテーマに作曲をするtoiret statusは、自身が鑑賞した映画や音楽、プレイしたゲーム、フィールドレコーディングした音声等を用いて、サンプリングミュージックの手法でビートを制作する。2016年にアメリカの先鋭的レーベル〈Orange Milk〉からリリースしたファーストアルバム『◎omaru◎』を皮切りにリリースを重ね、これまでに『TINY MIX TAPES』や『The Quietus』等の年間ベストに選出された。また、ロンドンのサマーセットハウスのMutant PromisとEBM(T)のプログラムへの参加、ヴィジュアルアーティストKai Yoshizawaの個展「Post Matter」への音楽制作、スロベニアはリュブリャナにて開催されたビエンナーレ「ISKRA DELTA」への参加等、活動の幅を広げている。

■ZOR
会期:7月22日〜8月6日
会場:CALM & PUNK GALLERY
住所 : 東京都港区西麻布1-15-15 浅井ビル1F
時間 : 13:00〜19:00
休日:日曜、月曜、火曜(最終日曜は開廊)
入場:無料

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TOKION EDITORIAL TEAM

2020年7月東京都生まれ。“日本のカッティングエッジなカルチャーを世界へ発信する”をテーマに音楽やアート、写真、ファッション、ビューティ、フードなどあらゆるジャンルのカルチャーに加え、社会性を持ったスタンスで読者とのコミュニケーションを拡張する。そして、デジタルメディア「TOKION」、雑誌、E-STOREで、カルチャーの中心地である東京から世界へ向けてメッセージを発信する。

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