佐宗乃梨子の個展「Romantic Agony」が開催 マネの名作に着想した大型作品や色ガラスを用いた小型作品など

ギャラリー「parcel」は、佐宗乃梨子の個展「Romantic Agony」を12月2〜24日に開催する。今年2月に行われたアートイベント「EASTEAST_TOKYO 2023」で高さ3メートルの大型作品を発表して以来、今回で2回目の発表になる。

佐宗は、1988年神奈川県生まれ。2014年に東京藝術大学美術学部彫刻科卒業、2021年には同大学大学院美術研究科博士後期彫刻修了。ガラスや鉄などを素材に、指紋や指の形など手の痕跡が残るワックスを造形に用いて制作を行う。また身体の物質性を主題とし、ゾンビや神話などのフィクションをモチーフにしたステンドグラスの作品、ワイン瓶や色ガラスを使ったレリーフや彫刻なども手掛けている。

個展では、古典絵画が主流だった時代にエドゥアール・マネが現実社会の裸婦として描いた「オランピア」と、その古典的な題材である亡骸を抱く聖母子の姿を表した「ピエタ像」に着想を得た大型作品が並ぶ。それらに加えて、ワイン瓶や色ガラスを用いた小型作品も展示。ギリシャ神話をはじめとした古典彫刻や、物語性を連想させるようなエロスを題材にしている。

同展について、佐宗は次のように語る。「どんなに文明が進化しても、人間の営みは肉体に縛られている。肉体が性に、性は生に繋がり、それが数珠つなぎのように生命が紡がれている。宇宙は膨張と収縮をくり返して何回も同じサイクルを繰り返しているという話を聞いたことがある。自然が循環するのと同じように、次の世界や次の宇宙も存在するかもしれない」。

■個展「Romantic Agony」
会期:12月2〜24日
場所:PERCEL
住所:東京都中央区日本橋馬喰町2-2-1 まるかビル2F
時間:14:00〜19:00
定休日:月、火

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TOKION EDITORIAL TEAM

2020年7月東京都生まれ。“日本のカッティングエッジなカルチャーを世界へ発信する”をテーマに音楽やアート、写真、ファッション、ビューティ、フードなどあらゆるジャンルのカルチャーに加え、社会性を持ったスタンスで読者とのコミュニケーションを拡張する。そして、デジタルメディア「TOKION」、雑誌、E-STOREで、カルチャーの中心地である東京から世界へ向けてメッセージを発信する。

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