俳優、モデルとして活躍するSUMIREが「ディスコード ヨウジヤマモト」「グラウンド ワイ」とのコラボで見せたアーティストとしての一面

SUMIRE
1995年東京生まれ。俳優、ファッションモデル、アーティスト。2014年から2023年の間「装苑」専属モデルを務める。2018年に映画『サラバ静寂』で俳優デビュー。『ボクたちはみんな大人になれなかった』(2021)のキーパーソン・スー役、主演を務めたドラマ『階段下のゴッホ』(2022)などに出演。 2023年9月、初個展「たまごがゆめをみていた」(Roll)を開催し⻑年描く絵画作品や、映像作品を発表した。
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渋谷パルコの開業50周年を記念し、俳優、モデル、アーティストとして活躍するSUMIREが「ディスコード ヨウジヤマモト(discord Yohji Yamamoto)」「グラウンド ワイ(Ground Y)」とコラボしたカプセルコレクションを制作した。加えて、11月17日には渋谷パルコの「グラウンド ワイ」店舗でSUMIREによるライブペインティングも実施。今年9月には個展も開催し、アーティストとしての活動の幅を広げるSUMIRE。ライブペイント直後の彼女にコラボの経緯から今回手掛けた作品について話を聞いた。

——今回のコラボの経緯から教えていただけますか。

SUMIRE:私がアート作品だけを載せているInstagramのアカウントを持っていて、それを 「ディスコード ヨウジヤマモト」の方が見てくださって、今年の8月末頃に「コラボレーションしませんか」とご連絡をいただきました。好きなブランドなので、光栄なお話だなと思い、「ぜひ」という感じで返事をして、コラボをすることになりました。

——今回、「ディスコード ヨウジヤマモト」「グラウンド ワイ」の2ブランドとコラボしました。それぞれのコラボ作品についてテーマはありましたか?

SUMIRE:「ディスコード ヨウジヤマモト」は、革のバッグや財布といったアクセサリーに実際に私が1点1点アクリル絵の具で絵を描きました。これまで私が見ていた「ディスコード」のアイテムは、全体的にシックで上品な印象もありつつ、カジュアルにも使えるといったイメージで、色もモノクロなものが多かったので、そこに色のついたロゴを入れるような思いで、「使った人の気持ちが明るくなればいいな」と思って、絵を描きました。

——SUMIREさんは事前にある程度イメージを固めてから描くのでしょうか。

SUMIRE:今回の「ディスコード」の場合は素材やバッグの形を見て、こういうモチーフがあったらかわいいだろうなとか、このカバンは大きいからちょっと落書きっぽい感じがいいかなとか、そういう風に柔軟にイメージを広げて描いていきました。

——一方の「グラウンド ワイ」は?

SUMIRE:「グラウンド ワイ」は、まずは「Ground Y」というロゴを自分なりにデザインしようと考えました。でも普通にはしたくないなと思って、フォントの形を見つつ、ここはちょっと丸っぽいからお月さまかなとか、Yって木のような形をしてるからちょっと木の要素を入れてみようかなとか、身近にあるものをイメージしてデザインしました。

——どの絵も色使いがすごくカラフルですが、全体のバランスを見ながら選んでいくのでしょうか? それとも感覚的に色を選ぶんでしょうか。

SUMIRE:半々くらいです。例えば「グラウンド ワイ」のロゴに、イチゴをイメージしたデザインがあるんですけど、普通のイチゴよりも白っぽいピンクにしていて。少し普通じゃないものにしたいという感じはあるかもしれません。

絵を描くことで自分の気持ちがわかる

——今回のライブペイントで描かれた絵に関しては、テーマはあったんですか?

SUMIRE:完成して思うのは下の部分が色彩の波で、上の部分にキャラクターがいて、ハッピーな雰囲気で、「グラウンド ワイ」を守ってくれるイメージになっているな、と思います。

——今回のようなキャラクターはSUMIREさんの中に固定のキャラクターがいるんですか? 

SUMIRE:今回、描いていたらたまたまこのキャラクターができあがったという感じですね。まずは自分の描きたいフォルムを描いて、それらに目をつけたりとかして。丸みを帯びたものって人を優しい気持ちにしてくれる気がするので、そうした丸みのあるキャラクターを考えて描いていきました。

——ライブペイントはこれまでにもやったことはあるんですか?

SUMIRE:今回のような大きい規模でやったのは初めてだったんですが、やってみると楽しかったですね。家ではこんな大きなキャンバスには描けないので。

——見られながら描くことには緊張しなかったですか?

SUMIRE:しなかったですね。集中していて、後ろを見てなかったんで(笑)。1回振り返ったら、すごく人が多くてちょっとびっくりしました。友達も見に来てくれていて、嬉しかったです。

——そもそもSUMIREさんがアーティストとして絵を描き始めたのは何かきっかけがあったんですか?

SUMIRE:本格的に仕事として絵を描き始めたのは20歳を超えてからぐらいです。子どもの時からずっと趣味としては描いていたんですけど。20歳頃からグループ展に参加させていただいたりとか、コラボ商品を出させていただいたりとかするようになりました。

——ずっと独学ですか?

SUMIRE:はい。独学です。

——本格的に描き始めて、自身の作品でここが変わってきたなっていうのはありますか?

SUMIRE:作風や好きなテイストはあまり変わらないんですけど、あまり考えずに描けるようになってきました。前までだったら何を描こうか全部下描きする時もあったんですけど、最近は描くことに慣れてきたのもあって、すぐに描き始められるようになってきました。

——日常的に絵は描いてたりするんですか?

SUMIRE:撮影がない時期にキャンバスに描いているんですけど、どこか地方で撮影に行った時には落書き帳を持っていって、ちょっと時間がある時に描いたりもします。絵を描く時は気持ちに余裕がある時ですね。

——絵を描くことがストレス解消になったりもしますか?

SUMIRE:それもあります。絵を描くことで、自分が今ハッピーな気持ちなんだなとか、ちょっと悲しい気持ちなんだなとか、その時の気持ちが絵に現れますね。

——今後、描いてみたいものはありますか?

SUMIRE:これまであまり人物や風景などを描いてこなかったので、挑戦したいなとは思っています。あとは、大きなサイズのキャンバスにも描いてみたいですね。

Photography Yohei Kichiraku

author:

高山敦

大阪府出身。同志社大学文学部社会学科卒業。映像制作会社を経て、編集者となる。2013年にINFASパブリケーションズに入社。2020年8月から「TOKION」編集部に所属。

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