88risingから世界デビュー! 新しい学校のリーダーズは「はみ出すこと」を厭わずまっしぐらに前へと進む

他のZ世代のアーティストとは一線を画す存在として、異彩を放つグループである新しい学校のリーダーズ。奇抜な装飾と日本の女学生の象徴であるセーラー服を身に纏い、自らを“青春日本代表”と称し活動を続ける彼女たちが”ATARASHII GAKKO!”として世界を席巻するレーベル88risingから世界デビューを果たした。

卓越したダンススキルと歌唱力、そして世間から“はみ出す”ことを厭わない独自のスタイルは、どのジャンルにもカテゴライズできない唯一無二の存在感を示すとともに、新たな時代を牽引するニュースターの誕生を期待させる。今回はそんな新たなステージへの一歩を踏み出した新しい学校のリーダーズの4人に、世界デビューに至るまでの軌跡、そして今後の展望をきいた。

コンセプトに勝って「自分たちの居場所」を見つけた5年半の歩み

――まずは、世界デビューおめでとうございます。皆さんは、今回の世界デビューに至るまで、どんな活動をしてこられたんですか?

MIZYU:やっぱり、ライブじゃない?

SUZUKA:ライブはたくさんしたね。あとは、幸楽苑さんとのタイアップやドラマの主題歌を歌わせていただいたり、『関内デビル』(TVK)で公園についてリポートするレギュラー企画を持たせてもらったりとか、バラエティに富んだことやらせてもらったよね?

RIN:うん。そう考えると、私たちの持っているダンスと歌という2つの大きな幹を、どんな企画でもどこかで絡めて表現する事ができるので、何でも自分たちらしい物に変化させる事ができるなと感じました。

――そこには自信を持ってる。

SUZUKA:うん。自信はあります。

MIZYU:おもしろいと思いますよ、私たち(笑)。

――いろんな経験をしてきたと思いますが、振り返ってみてどうですか? デビューからの5年半はどんな時間でしたか?

SUZUKA:成長って感じですよね。個人的にも成長できた5年半だったと思いますし、リーダーズとしての考え方も成長したのかなと思います。「踊るセーラー服、青春日本代表」というコンセプトに対してもみんなでたくさん話し合って、自分たちの居場所を見つけれた気がしますね。未だに見えないこともたくさんあるけど、基本的なラインはクリアできたなって思うし、そこのクリアした部分が最近何をやっても自信持って、できちゃうってところにつながってると思いますね。

MIZYU:最初の頃は私たちが私たちのことをわかってなかったので。そこを理解するところから、4人で始めたんだよね。

SUZUKA:この5年半で、コンセプトに勝てたんやな!

――コンセプトに勝てたっていう表現はすごいですね! 具体的にはどんなところが成長できたと思いますか?

MIZYU:脳ですかね(笑)。

SUZUKA:そうだね。自分たちが現在持っている実力でこの世の中に対してどうアプローチしたら面白くなるのかなとか、自分たちの居場所を見つけるための脳がすごく成長したと思う。

――物事を冷静に考えられるようになったんですね。

KANON:リーダーズの軸というか、考え方や根っこの部分を鍛えれたかなって思います。4人での感覚を鍛えれたというか。

MIZYU:踊りは昔からできていたけど、脳で踊るようになったと思います。自分の想像を踊りで表現する、みたいな。1年前の自分を見返すと今と全然違う人に感じたりします。

個性を楽しみ、バランスを取りながら成長していく

――新しい学校のリーダーズの活動を通して、伝えたいことはありますか?

MIZYU:大まかになっちゃうけど、やっぱり青春ですかね。年齢は関係ないと思うんです、青春って。今を全力で楽しむこともそうだし、何か葛藤があったとしてもそこに全力で立ち向かうことは青春だと思うんです。だから学生だけの特権じゃないというか。私たちの歌やライブで青春を伝えたいなって思います。

SUZUKA:しかも、世の中の風潮が、どんどん自由や個性を大切にする流れになってるから、その流れに乗っていってほしいなって思いますね。それぞれ、個性があって何が悪いって感じやし。その個性を楽しもうぜ!って思います。

――今、世の中の風潮って言葉が出ましたけど、若い皆さんから見て今の世の中はどうですかね? コロナもあってすごくネガティブな側面が浮き彫りになった感じもあると思うけど。

SUZUKA:めっちゃいい方向へ向かってると思います! 今は、固い考えと自由な考えが混ざってるって感じ。良い方向へ向かうための途中経過ですね。

RIN:今って、SNSが発達してるじゃないですか。そこで自分の考えを共有することができるんですよね。共感できる場が増えたことはすごくいいことだなって思います。

SUZUKA:でもさ、アナログの良さも大切じゃない? だから、デジタルの良さとアナログの良さのバランスを取れるようになればいいなって思うよね。

88risingとの契約前に感じた確かな予感と、この先への自信

――なるほど、柔軟に世の中が見れてるんですね。そんないい方向に向かってる最中で“ATARASHII GAKKO!”として世界デビューが決まったわけですが、どういう経緯だったんですか?

MIZYU:経緯は、『恋ゲバ』という曲を関係者の方にお披露目する謎の機会があって、なんかわからないけど、これは絶対実るぞっていう気持ちで戦ったんです。そうしたら88risingのエージェントの方がたまたま見ていて携帯で動画を撮って、この1本の動画がきっかけで、今すぐ契約しようっていう形になりました。だからすごく急に決まったんですよね。

KANON:「これがこのあと何かにつながるから」って4人で言い合って、パフォーマンスしたら本当につながって本当にびっくりしました。

SUZUKA:でも、あのときはすごく予感がしたよね。これ、なんかヤバいことになるかもって。

――直感的に感じたんですね。どうですか、率直に世界デビューについてどう思いますか?

SUZUKA:始まってはいるけど、まだ始まってない感覚もあって。それはステージに立つことを実際してないので、まだファンタジーみたいな感覚がすごくするんです。でもその未来が絶対待っているので、自分たちにとっていいプレッシャーは常にかかっている状態ですね。

RIN:確かに。見ようとする世界は広がったけど見える世界は広がりきれてないんですよね。

――でも、不安より楽しさが勝る?

MIZYU:楽しみだし、自信はありますね。ただ不安な部分ももちろんあって。今は映像作品だけで我々を知ってくれている人が多いので、いざその人達の目の前でパフォーマンスをする時、期待をどれだけ超えれるかっていうプレッシャーはあります。

「青春日本代表」として世界に発信していきたいこと

――世界へどんなことを発信していきたいですか?

SUZUKA:日本の魅力と私たちの魅力を伝えていきたいです。青春日本代表として日本っていいな、リーダーズっていいなって興奮してもらいたいと思いますね。

――本当に日本代表になったわけですもんね。日本のカルチャーの良さはどこにあると思いますか?

MIZYU:細かい規則の中で生きて、その律儀さや丁寧さが基盤に備わっているのが、日本人の良さだなと最近思うようになりました。

SUZUKA:日本の校則とかが海外から見ると美しく見えるんやなって思って。繊細な部分に気を配るじゃないですけど、そういうとこを美しいって見られてると感じるから、そういうところを伝えていければなって思いますね。

KANON:礼儀とかね?

SUZUKA:そうだね。ステージに上がるときは礼をするとか、そういうところから日本っぽさを出していきたいなって思いますね。

――そこまで明確にビジョンがあると、早くライブで表現したいですね。

MIZYU:やりたいですね。でも多くライブをやらせていただいている中で、ライブに来た方にはアプローチできるけど、来てない人には知っていただけない状況があるなと感じていて。それが、コロナ禍でライブが出来なくなり、配信するという新たな手段が出てきたんですよね。それまで、私たちは全然ライブ映像とかを出してこなかったんですけどこのキッカケで出すようになって知っていただく機会が増えたんです。だから、ライブができない今は映像とSNSを活発に動かして、知ってもらう動線を作れたらなって思うんです。

SUZUKA:今は、無観客ライブもできますし一度動画をアップしてしまえば、その動画はいろんな人が何回も見るわけじゃないですか。気持ち的にライブを何回もしてる気持ちになるんですよ。だから、あとはどうアプローチしていくかを考えるというか、リーダーズを知ってもらうためにどう動くかなのかなって。

KANON:私たちにとっては、去年の自粛期間もプラスに作用してるというかね。レベルアップする意味ではいい段階になってると思いますね。

RIN:世界デビューをしてから、YouTube のコメント欄で海外の方からもたくさんの反応を頂いているんです。今は皆さんが SNS を 見る時間も増えていると思うし、すごく良いタイミングだったなと思います。

――ライブができない状況も悲観することなく、成長できてるわけですね。じゃあ、これからどういう見せ方をするか考えている?

KANON:そうですね。試行錯誤はしてますけど、これからもっといろいろ考えていきたいですね。

SUZUKA:私たちにしか出来ないやり方で面白い事やっていきたいです。

――これからの展望について改めて教えてください。

RIN:SNSや映像で盛り上げつつ、最終的には国内外問わず、ライブを観た沢山の方々に最高だと思ってもらえるものを作っていきたいです。

SUZUKA:何かのキッカケでバズる時が近いうち必ず来ると信じてるので、今はしっかりと日本へのアプローチ、世界へのアプローチをやっていきたいですね。これからも新しい学校のリーダーズを楽しみます。

新しい学校のリーダーズ
「歌い踊るセーラー服、青春日本代表」と称し、現代社会を強く楽しく生きるべく、個性や自由を全身で表現し【はみ出していく】。ライブや音楽、ダンス、前衛的動画など378度くらいの全方位で、もっと自由にもっと個性を出していける社会になる事を望み、ざわつきを生み出し続ける四人組。
http://leaders.asobisystem.com
Twitter: @japanleaders
Instagram: @japan_leaders
TikTok: @japanleaders

Photography Kentaro Oshio

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author:

笹谷淳介

1993年生まれ、鳥取県出身。メンズファッション誌「Samurai ELO」の編集を経て独立。音楽をはじめ、幅広いジャンルで執筆を行う。 Twitter:@sstn425 HP:https://sstn.themedia.jp/

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