ヒップホップの黎明期を記録したドキュメンタリー映画『Style Wars』が、3月26日から劇場公開される。東京・渋谷ホワイトシネクイント、新宿武蔵野館を皮切りに全国で順次公開する予定。
日本では2004年にDVDがリリースされたものの劇場未公開となっていた『Style Wars』。1970~80年代初頭のニューヨーク・サウスブロンクスで誕生したグラフィティをテーマに、ラップやブレイクダンスなど、後にヒップホップと呼ばれ世界中を席巻するカルチャーが起こった瞬間をフィルムに収めたドキュメンタリー作品だ。同時期に制作された『Wild Style』とともにヒップホップヘッズのバイブルとして語り継がれている。
制作から40年近くがたった今、同作に登場するグラフィティライター達は、ジャン=ミシェル・バスキアやキース・へリング、バンクシーらへと繋がり、彼等は“作品”としてグラフィティを手掛けるようになった。世界中のミュージシャンがラップを楽曲に取り入れ、2024年のパリ・オリンピックにはブレイクダンスが追加競技種目に決定するなど、メジャーカルチャーとなったヒップホップの誕生の歴史と空気感を感じられる作品だ。
コレクターズアイテムが発売
同作の公開日と同日にTOKIONオフィシャルECとTOKiON the STOREではコレクターズアイテムでもある、オフィシャルTシャツとパーカーを発売する。
Photography eucari
Model Yua,Jion
日本のヒップホップの立役者やシーンを牽引するアーティスト達からのコメント
いとうせいこう(作家・クリエイター)
「こんなフィルムが残ってるなんて! で、今回の生々しい記録でも明らかだが(『Wild Style』でもわかる)、この頃のヒップホップ界隈にはヒスパニック系なども多かったのだ。こうした人種の、起源での混在は何度強調しても足りない」
ANI(スチャダラパー)
「ヒップホップ初期を捉えた貴重なドキュメンタリー。 これ観るとスゴいワクワクする。 ストリートアートに少しでも興味があるなら、観た方がイイと思います」
サイプレス上野(ラッパー)
「マジで映画館のスクリーンで見られるんですか? 先輩から回されたコピー&コピーの裏ビデオで出会った俺としては即死案件! 世代を超えても俺達がやるべきことは、自分を出し続ける闘いでしょ」
ダースレイダー(ラッパー)
「つまらない間違いを繰り返す街並みを塗り替える! 振り返ると浮かび上がるあのヴァイブス。KASE2の『スタイル』の言い方が世界で一番かっこいい。なぜって? そりゃキングだから。社会には外側がある。それに気付くためには壁を見ろ! 電車を見ろ! 気を付けるのは3番目のレールだけだ」
BBOY KATSU ONE (MIGHTY ZULU KINGZ/READY TO ROCK)
「若者の行き場のないパワーを『アート』という形に変え、『自分を表現する』ということ。どんな形であれ、『自分を表現すること』を見つけると強い。特に今の若い世代には大切なことを教えられている気がします」
MC KENSAKU(ex BRONX・MC・Bboy)
「何が正解かもわからずカルチャーの0から1を創り出したレジェンド達。違法な事も承知でプライドをかけ、命を燃やした時代があった。現代につながる大切な世界的歴史です!」