連載「The View My Capture」Vol.18 写真家・Yuki Kawashimaが異国で目にした、遠く離れた大切な誰かを思い出させてくれる「後ろ姿」

Yuki Kawashima
1993年生まれ。大分県日田市出身。京都精華大学映像コース卒業後、イイノ・メディアプロに入社。スタジオワークを経験の後、2019年独立、2022年渡英。
Instagram: @yuki_kawashima0630
https://kawashimayuki.com

気鋭の若手写真家を取り上げて、「後ろ姿」という1つのテーマをもとに自身の作品を紹介する連載企画。後ろ姿というのは一見して哀愁や寂しさを感じられることが多いが、見る対象や状況によっては希望に満ちたポジティブな情景が感じられることもある。今回は、アーティスト写真やポートレート、ファッション写真を中心に、現在はロンドンを拠点に活動する写真家・Yuki Kawashimaの作品。日本を離れ、異国で生活をしている彼が、会うことができない誰かと「会えた」と感じた「後ろ姿」とは。

追憶

遠くにいる大切な誰かのことを思い出させてくれた。

2022年から日本を離れロンドンに住んでいる。

言語も文化も違う場所での生活は、これまでのあたりまえが通用しない経験と自己を見つめ直す大切な時間を与えてくれた。

孤独を感じる日々もある中で、1人でバスや電車に乗っているとふと後ろ姿を目にすることがある。

顔も表情もわからない誰かのその後ろ姿は、僕に面影として大切な誰かを思い出させてくれた。

日本とは異なる光景が日々映し出される中でも、後ろ姿やふと目にする風景には、そこに存在するはずのない遠く離れた大切な誰かや懐かしい風景が曖昧な記憶として思い浮かぶ時が存在する気がした。

それと同時に、どこにいてもそれぞれの生活があり今を生きているのだと改めて実感するのだが、誰しもが経験する出逢いや別れの中で、僕は大切な人を亡くした時に写真を通して今を切り取ることの大切さに気付くことができた。

流れゆく日々の中でとどめておきたい目に映る景色や気持ちを、写真を通して残すことによりいつでも思い出せるメモリーとしてこれからも今を切り取っていきたい。

そして僕の撮りたい写真は決してきらめいた大げさな写真ではなく、ふと誰かの記憶とリンクする瞬間にある光景を残していきたいのだと思う。

身近で大切な人を継続的に撮って作品として残したい

−−写真を始めたきっかけは?

Yuki Kawashima(以下、Kawashima):高校生の時に東京事変のLIVEを初めて目にし、一緒に仕事がしたいと思い始めました。最初はMV(ミュージックビデオ)に興味を持ち映像コースに入学したが、フィルムカメラを手にする機会がありそこから独学で写真を始めました。

−−シャッターを切りたくなる瞬間は?

Kawashima:あまり意識したことはないが、綺麗な光や残しておきたい瞬間。

−−オンとオフで愛用しているカメラは?

Kawashima:最近買ったカメラは富士フィルム X100F。デジタル、フィルムどちらも使います。

−−インスピレーションの源は?

Kawashima:実体験や音楽等。

−−今ハマっているものは?

Kawashima:自炊。

−−今後撮ってみたい作品は?

Kawashima:身近な大切な人を継続的に撮る。アイスランドなどの壮大な自然や阿蘇山の野焼き等。

−−目標や夢は?

Kawashima:親孝行。

Photography & Text Yuki Kawashima
Edit Masaya Ishizuka(Mo-Green)

author:

mo-green

編集力・デザイン思考をベースに、さまざまなメディアのクリエイティブディレクションを通じて「世界中の伝えたいを伝える」クリエイティブカンパニー。 mo-green Instagram

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