“時代が鳴らす音”に耳を傾ける 状況を好転させるためのヒントや希望 連載「時の音」総集編−後編−

昨年末から、コロナウイルスの新規感染者数が緩やかながら減少傾向に転じるなど明るいニュースを散見するようになったものの、変異株「オミクロン」や海外インフレの波及等、2022年も不確実性が高い状況が続くことが予想される。

そんな混迷する世の中だからこそ、その時々に生まれ、同時に時代を超えて愛される価値観に目を向けるべくスタートした連載「時の音」。本連載では、そんな価値観を発信する人達に今までの活動を振り返りつつ、未来を見据えて話をしてもらっている。

昨日より明日へ。2022年のスタートも終わりの見えない不安が蔓延しているが、それでも“時代が鳴らす音”に耳を傾けてみれば、この状況を少しでも良くするためのヒントや希望がきっと見つかるはず。

Vol.9 杉本博司が4半世紀以上にわたり取り組む江之浦測候所 運命とも因縁ともいえる数々の “奇譚”

杉本博司

現代美術作家の杉本博司が構想に10年をかけてつくった「江之浦測候所」。同所は日本文化の精髄を発信し、人類とアートの起源に立ち返り得る場であり、彼の数寄を凝らした集大成的作品でもある。2020年10月に、この地に引き寄せられたものとの因縁を記した『江之浦奇譚』を上梓した。コロナ禍によって日本長期滞在を余儀なくされていたという杉本に、都内のアトリエで話を聞いた。

Vol.10 西川美和が描く小説とはまた違う、映画ならではの伝えるべき物語『すばらしき世界』

西川美和

2021年2月に全国公開された西川美和監督による『すばらしき世界』。佐木隆三のノンフィクション小説『身分帳』を原案に、刑務所を出た元ヤクザがどのように社会に戻るのかを描いた作品は、生きづらい社会と、そんな社会で経験する優しさや厳しさ、易しいと難しいというものの間や端にある、人間だからこその温かさを映し出す。主人公の人生を通して見えてくる現代社会とは何か。

Vol.11 爆笑問題・太田光が語る「芸人と倫理」

太田光

2020年12月にコラム集『芸人人語』を出版した爆笑問題の太田光。『芸人人語』では、「芸能界の薬物」「表現の自由」「大衆とテレビ」「女帝とコロナ」等、話題となった出来事が太田ならではの切り口で書かれており、普段のテレビやラジオよりも深く、その思考に迫ることができる。『芸人人語』でのコラムを踏まえつつ、“芸人”や“お笑い”にまつわる太田の考えを、インタビューを通して解き明かしていく。

Vol.12 写真家・上田義彦が映画で伝えたい「真実はすぐそばにしかない」理由

上田義彦

サントリーや資生堂、TOYOTAなど数多くの広告写真を手掛けてきた写真家・上田義彦が自身初の長編映画『椿の庭』を2021年4月に公開した。春夏秋冬を通して描き出される、ゆったりとした時間描写と美しい映像とともに、つい見落としがちな“生”や“記憶”の断片にフォーカスすることで、日常に転がっている真実を浮かび上がらせる。上田が同作で伝えたかった、真実の意味とは。

Vol.13 「アンブッシュ®」デザイナー・YOON 観察し未来を想像する これから大切になってくる観察力と考える力とは

YOON

グローバル企業とのコラボレーションや「ディオール オム」のジュエリーデザイナーを手掛ける「アンブッシュ®」デザイナーのYOON。彼女が力強く発信する、社会学的な視点から未来を想像した表現と、そのメッセージが世界中に共鳴する所以は何か? アメリカから東京へ拠点を移した当時の景色やコミュニティーの変容を思い返しながら、これからの時代に必要となる「考える力」について紐解く。

Vol.14 作家・朝井リョウが見据えたい“2歩先の視点”

朝井リョウ

2021年、作家生活10周年記念作品『正欲』を出版した作家の朝井リョウ。デビュー作『桐島、部活やめるってよ』では不在の主人公の存在感から「スクールカースト」を炙り出し、2013年の直木賞受賞作『何者』では就活を舞台に「SNSによるコミュニケーションの変化」を描き出した。『正欲』を通じて、時代の空気と人々の心根を映し出してきた彼が、そうした社会への違和感をどのように捉えているのか。

Vol.15 “Be Here Now” 美術家・横尾忠則が自身の創作活動を振り返って今、思うこと

横尾忠則

自身、過去最大規模の展覧会「GENKYO 横尾忠則 原郷から幻境へ、そして現況は?」を東京都現代美術館で開催した現代美術家の横尾忠則。あらゆるスタイルを持たず、考えることを捨て、煩悩から離れて身体の赴くままに描いた作品は、世界中のクリエイターに多大な影響を与え続ける。コロナ禍にTwitterとブログの投稿でスタートした「WITH CORONA」も含めて、自身の創作活動を振り返ってもらった。

Vol.16 江口寿史がイラストレーターで漫画家であり続ける理由

江口寿史

江口寿史を漫画家として知る人も多ければ、女性を被写体にした“彼女”と呼ばれるキャラクター達が印象的なイラストレーターとして知る人も多いだろう。ずば抜けて絵がいい。ギャグがおもしろい。思いもよらない展開や設定。そして、次の週に読めるかどうかわからないハラハラ。コロナ禍でTwitterに投稿したイラストとつぶやきから、江口の複合的な魅力に迫る。

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TOKION EDITORIAL TEAM

2020年7月東京都生まれ。“日本のカッティングエッジなカルチャーを世界へ発信する”をテーマに音楽やアート、写真、ファッション、ビューティ、フードなどあらゆるジャンルのカルチャーに加え、社会性を持ったスタンスで読者とのコミュニケーションを拡張する。そして、デジタルメディア「TOKION」、雑誌、E-STOREで、カルチャーの中心地である東京から世界へ向けてメッセージを発信する。

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